二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)を簡単に
- 二十八部衆とは、千手観音を守る28体の神さま。
- 「女神」「武将」「仙人」など、バラエティーに富む。
- メンバーの数があまりにも多いため、顔ぶれが変わることも。
1.二十八部衆とは
二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)とは、千手観音を守る28体の神さま。
(千手観音の眷属)
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千手観音(せんじゅかんのん)を簡単に 千手観音とは、「千の手」と「千の目」で人びとを救う観音さま。 それぞれの手には、バラエティーあふれる道具を持つ。 六観音のメンバーの一員。
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千手観音の教えを説いた『千手観音造次第法儀軌』というお経によると、28体がそれぞれ500もの部下を従えているとされています。
この二十八部衆という大チームは
- 美しい女神
- たくましい武将たち
- インドの神さまや仙人
- 釈迦の部下である八部衆
などからなり、姿も性格もみんなバラバラです。
バラエティーあふれる力を集結させ、千手観音とその教えを信じる人たちを守ります。
お寺のお堂の中では、千手観音の両サイドに分かれて並ぶのが一般的です。
例外として、三十三間堂(京都)では横一列にずらりと並びます。
2.メンバー
仏像せんせい
メンバーの数があまりにも多いことから、昔の人もよく間違えたり混乱したりしたそうです。
そのため、顔ぶれが変わったり、名前が大きく異なったりすることがあります。
そのため、顔ぶれが変わったり、名前が大きく異なったりすることがあります。
- 大梵天王(だいぼんてんおう)
・・・梵天と同じ。 - 帝釈天王(たいしゃくてんおう)
・・・帝釈天と同じ。 - 大弁功徳天(だいべんくどくてん)
・・・吉祥天と同じ。弁財天とされることも。 - 神母天(じんもてん)
・・・鬼子母神と同じ。 - 金色孔雀王(こんじきくじゃくおう)
・・・孔雀明王と同じ。 - 那羅延堅固(ならえんけんご)
・・・金剛力士(阿形)と同じ。 - 密迹金剛(みっしゃくこんごう)
・・・金剛力士(吽形)と同じ。 - 東方天(とうほうてん)
・・・四天王の持国天。 - 毘楼勒叉天(びるろくしゃてん)
・・・四天王の増長天。 - 毘楼博叉天(びるばくしゃてん)
・・・四天王の広目天。 - 毘沙門天(びしゃもんてん)
・・・四天王の多聞天(毘沙門天)。 - 五部浄居天(ごぶじょうごてん)
・・・八部衆の天のうちの1体。 - 難陀龍王(なんだりゅうおう)
・・・八部衆の龍のうちの1体。龍のリーダー格。 - 沙羯羅龍王(しゃがらりゅうおう)
・・・八部衆の龍のうちの1体。海底にある龍宮城の主。 - 金大王(こんだいおう)
・・・八部衆の夜叉のうちの1体。毘沙門天の家来。 - 満仙王(まんせんおう)
・・・八部衆の夜叉のうちの1体。毘沙門天の家来。 - 満善車王(まんぜんしゃおう)
・・・不明。「満仙王」と同じとされることも。 - 散脂大将(さんしたいしょう)
・・・八部衆の夜叉のうちの1体。毘沙門天の家来。 - 畢婆迦羅王(ひばからおう)
・・・八部衆の夜叉のうちの1体。毘羯羅と同じ。 - 金毘羅王(こんぴらおう)
・・・八部衆の夜叉のうちの1体。宮毘羅と同じ。 - 乾闥婆王(けんだつばおう)
・・・八部衆の乾闥婆。 - 阿修羅王(あしゅらおう)
・・・八部衆の阿修羅。 - 迦楼羅王(かるらおう)
・・・八部衆の迦楼羅。 - 緊那羅王(きんならおう)
・・・八部衆の緊那羅。 - 摩睺羅伽王(まごらかおう)
・・・八部衆の摩睺羅伽。 - 摩和羅女(まわらにょ)
・・・地天女と同じ。 - 摩醯首羅王(まけいしゅらおう)
・・・インドの破壊の神さま。 - 婆藪仙人(ばすせんにん)
・・・釈迦に救われたインドの仙人。
さらに、これらのメンバーに風神・雷神を加えて、風雷二十八部衆(ふうらいにじゅうはちぶしゅう)とすることもあります。
3.有名な像とお寺
- 二十八部衆立像/塩船観音寺(東京)
- 二十八部衆立像/清水寺・本堂(京都)
- 二十八部衆立像/三十三間堂(京都)
- 二十八部衆立像/粉河寺(和歌山)