十二神将(じゅうにしんしょう)を簡単に
- 十二神将とは、薬師如来を守る12体の神さま。
- それぞれが7千もの部下を従え、全方位をガードする。
- よろいかぶとを身にまとい、さまざまな武具を持つ。
1.十二神将とは
十二神将(じゅうにしんしょう)とは、薬師如来を守る12体の神さま。
(薬師如来の眷属)
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十二神将はもともとはインドの悪い鬼でしたが、お釈迦さまとの出会いによって心を改め、薬師如来を守る神さまとなりました。
薬師如来の教えを説いた『薬師経』によると、12体がそれぞれ7千もの部下を従えているとのこと。
“総勢 8万4千体”を率いる大軍団が、薬師如来とその教えを信じる人たちを守ります。
この十二神将の率いるチームは、主に次のようなはたらきをします。
- 薬師如来が人びとを救うために立てた「12の誓い」を果たす
- 薬師如来の住む世界の「12方位」を守る
さらに、平安時代(794~1185年)に入ると「12」という数が十二支と結びつき、12体のそれぞれの頭の上に干支の動物をのせるのが一般的となりました。
お寺のお堂の中では、薬師如来の周りをぐるりと囲んだり、一列に並んだり、両サイドに6体ずつ立ったりします。
12体のメンバーは甲冑に身を固め、さまざまな武具を手に持って薬師如来をガードします。
2.メンバー
それぞれの「名前」「持ち物」は、お経やお寺などによって異なります。
(1)毘羯羅
- 干支
子(ねずみ) - 主な持ち物
三鈷杵
(2)招杜羅
- 干支
丑(うし) - 主な持ち物
太刀
(3)真達羅
(4)摩虎羅
- 干支
卯(うさぎ) - 主な持ち物
鉞斧
(5)波夷羅
- 干支
辰(たつ) - 主な持ち物
弓矢
(6)因達羅
- 干支
巳(へび) - 主な持ち物
三叉戟
(7)珊底羅
- 干支
午(うま) - 主な持ち物
三叉戟、または「ほら貝」
(8)頞儞羅
- 干支
未(ひつじ) - 主な持ち物
矢
(9)安底羅
(10)迷企羅
- 干支
酉(とり) - 主な持ち物
なし(独鈷杵を持つことがある)
(11)伐折羅
- 干支
戌(いぬ) - 主な持ち物
宝剣
(12)宮毘羅
- 干支
亥(いのしし) - 主な持ち物
太刀
3.有名な像とお寺
- 十二神将立像/慈恩寺(山形)
- 十二神将立像/東寺(京都)
- 十二神将立像/興福寺・東金堂(奈良)
- 十二神将立像/新薬師寺(奈良)
- 十二神将立像/室生寺(奈良)