八部衆(はちぶしゅう)を簡単に
- 八部衆とは、釈迦如来をガードする8体の神さま。
- 釈迦とその教えを信じる人たちを守る。
- 「龍神」「鳥獣」「音楽の神」など、姿も性格もバラバラ。
1.八部衆(天龍八部衆)とは
八部衆(はちぶしゅう)とは、釈迦如来をガードする8体の神さま(釈迦如来の眷属)。
天龍八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)ともいいます。
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八部衆はもともとはインドの神さまでしたが、釈迦如来の教えに導かれ、仏教の守り神となりました。
釈迦の優秀な弟子である十大弟子とともに、釈迦とその教えを信じる人たちを守ります。
「龍神」「鳥獣」「音楽の神」など、姿も性格も異なるメンバーたちが、釈迦如来をガードするようにつき従います。
2.メンバー
それぞれの「名前」「姿かたち」は、お経やお寺などによって異なります。
(1)天
実際には、これらのうちの1体がまつられます。
(2)龍
水中に住み、雨をもたらす龍神たち。
こちらも1体のみがまつられます。
(3)夜叉
インドの鬼がのちに仏教の守り神となったもの。
(4)乾闥婆
帝釈天と持国天につかえる、音楽の神さま。
子どもの守り神ともされています。
よろいを身につけ、獅子の冠をかぶり、宝珠と三叉戟を手に持ちます。
(5)阿修羅
もともとは悪い神さまでしたが、釈迦如来の教えによって心を改め、仏教の守り神に。
3つの顔に6本の腕をもつ、クモのような姿が特徴。
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阿修羅(あしゅら)を簡単に 阿修羅とは、仏教とその教えを信じる人たちを守る神さま。 悪い神であったが、お釈迦しゃかさまに導かれて改心する。 3つの顔に6本の腕をもつ、クモのような姿が特徴。
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(6)迦楼羅
頭が「鳥」で胴体が「人間」の姿をした、災いを食べつくす神さま。
龍笛とよばれる笛を吹き、恵みの雨を降らせたり、延命(長寿)のご利益をもたらしたりします。
(7)緊那羅
頭が「人間」で、胴体が「獣」の姿をしています。
(8)摩睺羅伽
帝釈天につかえる、音楽の神さま。
頭が「ヘビ」で、胴体が「人間」の姿をしています。
3.有名な像とお寺
- 八部衆立像/興福寺(奈良)
- 八部衆坐像/法隆寺(奈良)
異なるメンバー
奈良を代表するお寺の一つである「興福寺」の八部衆立像は、天・龍・夜叉・摩睺羅伽に代わり、「五部浄」「沙羯羅」「鳩槃荼」「畢婆迦羅」がメンバーとなっている。
(詳しい内容は割愛)