吉祥天(きちじょうてん)を簡単に
- 吉祥天とは、「富」と「幸運」をもたらす女神。
- 中国風のゴージャスな衣装を身にまとう。
- 夫の毘沙門天・子の善膩師童子とともに、親子でまつられる。
1.吉祥天とは
吉祥天(きちじょうてん/きっしょうてん)とは、「富」と「幸運」をもたらす女神。
もともとはラクシュミーという名のインドの神さまであり、美と繁栄の女神として信仰されていました。
奈良時代(710~794年)に『金光明最勝王経』というお経が中国から伝わったのがきっかけで、日本でも吉祥天が知られるようになります。
このお経によると、「吉祥天の名を唱えれば、作物が豊かに実り、富を得て裕福になれる」とされています。
ラクシュミーの性格を受けつぐ吉祥天は、仏教に取り入れられてからも「富」と「幸運」をもたらす美しい女神として人びとから親しまれています。
吉祥天をまつるお寺で毎年正月に行われる吉祥悔過会(きちじょうけかえ)という儀式では、人びとが吉祥天の前で罪を悔やみながら、五穀豊穣と国の平和を祈ります。
吉祥天は、夫の毘沙門天・子の善膩師童子とともに、親子3人でまつられることが多いです。
2.姿かたち
中国の女性貴族をモデルとしているため、ゴージャスな貴人服をまとい、宝冠や瓔珞などのアクセサリーを身につけています。
立っている像(正立像)が一般的ですが、台に腰かけている像(善跏倚坐)、両足を組んで座っている像(結跏趺坐または半跏趺坐)も一部あります。
3.吉祥天のなかま
吉祥天には、以下の家族がいます。
のメンバーの一員でもあります。
二十八部衆においては、「大弁功徳天」という名前でよばれます。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 吉祥天坐像および毘沙門天・善膩師童子立像/福光園寺(山梨)
- 毘沙門天立像および吉祥天・善膩師童子立像/鞍馬寺(京都)
- 毘沙門天立像および吉祥天・善膩師童子立像/勝林寺(京都)
- 吉祥天立像/浄瑠璃寺(京都)
- 毘沙門天・吉祥天立像/法隆寺・金堂(奈良)