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三十三観音とは | 仏像入門ドットコム

三十三観音(さんじゅうさんかんのん)を簡単に

  • 三十三観音とは、観音さまが変身する33の姿のこと。
  • 救う相手や状況に応じて、姿を使い分ける。
  • 「三十三観音霊場れいじょうめぐり」が、今でも盛んに行われている。

1.三十三観音とは

三十三観音(さんじゅうさんかんのん)とは、観音さまが変身する33の姿のこと。

聖観音菩薩立像
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観音菩薩(かんのんぼさつ)を簡単に 観音菩薩とは、人びとの心を察知して助ける菩薩。 「観音さま」として昔から親しまれている。 救う相手や状況に応じて、いくつもの姿に変身する。

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観音菩薩の教えを説いた『観音経かんのんぎょう』によると、観音菩薩は救う相手や状況に応じて33種類もの姿に変身するとされています。

この33の姿を三十三観音といい、以下の種類があります。

【三十三観音の種類】

  1. 楊柳(ようりゅう)観音
    ・・・柳の枝を手に持ち、悪病をはらう。「薬王やくおう観音」ともよばれる。
  2. 龍頭(りゅうず)観音
    ・・・龍の背中に乗り、人びとを導いたり、恵みの雨を降らせたりする。
  3. 持経(じきょう)観音
    ・・・経巻を手に持ち、ほとけの声を聞きながら修行にはげんでいる。
  4. 円光(えんこう)観音
    ・・・背後で円光を輝かせ、世界を明るく照らす。
  5. 遊戯(ゆげ)観音
    ・・・雲の上にゆったりと座り、自由自在に人びとを導く。
  6. 白衣(びゃくえ)観音
    ・・・純白の衣をまとい、呪文をとなえて病を治す。
  7. 蓮臥(れんが)観音
    ・・・蓮華座に乗って合掌し、人びとの幸せを願っている。
  8. 滝見(たきみ)観音
    ・・・がけに座って滝を見ながら、悪を浄化している。
  9. 施薬(せやく)観音
    ・・・静かに岩に座り、人びとの苦しみを取り除く。
  10. 魚籃(ぎょらん)観音
    ・・・大きな魚に乗ったり、魚を手に持ったりして、災いを消滅させる。
  11. 徳王(とくおう)観音
    ・・・柳の枝を手に持ち、人びとをさとりへと導く。
  12. 水月(すいげつ)観音
    ・・・水面に映る月を見ながら、心をしずめている。
  13. 一葉(いちよう)観音
    ・・・水に浮かぶ大きなハスの葉に乗り、人びとを水難から守る。
  14. 青頸(しょうきょう)観音
    ・・・もともとはシバ神(インドの破壊の神さま)であったとされ、あらゆる災いを消滅させる。
  15. 威徳(いとく)観音
    ・・・蓮華を手に持ち、人びとを正しい道へと導く。
  16. 延命(えんめい)観音
    ・・・さまざまなアイテムを手に持ち、災いを消滅させたり、延命(長寿)をもたらしたりする。
  17. 衆宝(しゅうほう)観音
    ・・・片ひざを立てて地面に座り、1人の祈りが大勢を救うと説いている。
  18. 岩戸(いわと/いわど)観音
    ・・・毒ヘビの住む洞窟どうくつに座り、どのような毒(悪い心)でも消し去ることができると説いている。
  19. 能静(のうじょう)観音
    ・・・海辺の岩にもたれかかって座り、荒波を静めるように、人びとに安らぎをもたらす。
  20. 阿耨(あのく)観音
    ・・・片ひざを立てて水辺の岩に座り、人びとを水難から守る。
  21. 阿摩堤(あまだい)観音
    ・・・片ひざを立てて岩に座り、人びとの不安を取り除く。
  22. 葉衣(ようえ)観音
    ・・・片ひざを立てて蓮華座に座り、病や災いから仏教の信者を守る。
  23. 瑠璃(るり)観音
    ・・・水に浮かぶ大きなハスの葉に乗り、香炉こうろを手に持って、病や災いを消滅させる。薬師如来化身けしん(生まれ変わり)とされている。
  24. 多羅尊(たらそん)観音
    ・・・雲に乗り、偉大な母のように優しい心で、人びとを煩悩ぼんのう(欲望や迷いの心)から救う。
  25. 蛤蜊(こうり)観音
    ・・・大きなハマグリに乗って海を渡りながら、漁師の安全を祈っている。「ハマグリ観音」ともよばれる。
  26. 六時(ろくじ)観音
    ・・・経巻を手に持ち、四六時中つねに人びとを守る。
  27. 普悲(ふひ)観音
    ・・・山の上に立ち、すべての人に慈悲(優しさ)を注ぐ。
  28. 馬郎婦(めろうふ)観音
    ・・・美しい天女の姿をし、仏教を信じない人たちを教え導く。
  29. 合掌(がっしょう)観音
    ・・・蓮華座に乗って合掌し、人びとのお手本となるよう自らおがんでいる。
  30. 一如(いちにょ)観音
    ・・・雲に乗って空を飛び、大雨や雷などの災害から人びとを守る。
  31. 不二(ふに)観音
    ・・・蓮華座に乗り、「慈悲(優しさ)」と「怒り」の2つの心で人びとを導く。金剛力士に変身するとされている。
  32. 持蓮(じれん)観音
    ・・・蓮華座に乗り、両手で蓮華を支えながら、人びとの心を美しく咲かせることを誓っている。
  33. 灑水(しゃすい)観音
    ・・・左手に香水の入った水瓶、右手に柳の枝を持ち、煩悩ぼんのう(欲望や迷いの心)やけがれを清める。
仏像せんせい
仏像せんせい

三十三観音の中でも、とくに

  • 観音さまには珍しい忿怒相をした【1】楊柳観音
  • まぶしい純白の衣に身を包む【6】白衣観音
  • 月を眺めているポーズが美しい【12】水月観音

が有名です。

なお、三十三観音とは別に、6体セットの六観音もあります ↓

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六観音(ろくかんのん)を簡単に 六観音とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。 多くの顔や腕をもつ、超人的な姿かたちをしている。 「六道ろくどう」という苦しみの世界を管理する。

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2.三十三観音霊場

観音菩薩への信仰が広まるにつれて、33という数字にちなんだ三十三観音霊場(さんじゅうさんかんのんれいじょう)が生まれました。

三十三観音霊場とは、観音菩薩をまつる日本各地のお寺をネットワーク化したもの。

その中でも、とくに知られているのが

  1. 西国さいこく三十三所
  2. 坂東ばんどう三十三観音
  3. 秩父札所ちちぶふだしょ三十四ヶ所観音霊場

の3つの霊場であり、観音さまをいちずにお参りすることができます。

仏像せんせい
仏像せんせい
秩父だけが34か所なのは、西国・坂東・秩父の3つを合わせて「日本百観音霊場」とするためだそうです。

(1)西国三十三所

関西エリアを中心とする、日本でいちばん歴史のある「観音めぐり」の霊場。

奈良時代(710~794年)のお坊さんである徳道上人とくどうしょうにんが呼びかけたのが始まりであり、西国三十三所の観音さまをお参りして心を清めれば極楽浄土ごくらくじょうどに行けるといわれています。

三十三所をめぐり終えた後は、その「お礼参り」として

  • 善光寺ぜんこうじ(長野)
  • 延暦寺えんりゃくじ根本中堂こんぽんちゅうどう(滋賀)
  • 四天王寺してんのうじ(大阪)
  • 東大寺とうだいじ二月堂にがつどう(奈良)
  • 金剛峯寺こんごうぶじの奥の院(和歌山)

のいずれかに参拝するのが、習わしとされています。

エリア

岐阜、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山

西国三十三所 巡礼の旅

(2)坂東三十三観音

関東エリアにまたがる33か所のお寺を結ぶ「観音めぐり」の霊場。

鎌倉時代(1185~1333年)の将軍・源実朝みなもとのさねとも西国三十三所をモデルにして開いたといわれています。

三十三観音をめぐり終えた後は、その「お礼参り」として

  • 善光寺ぜんこうじ(長野)
  • 北向観音堂きたむきかんのんどう(長野)

のいずれかに参拝するのが、習わしとされています。

エリア

茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川

坂東三十三観音 公式サイト

(3)秩父札所三十四ヶ所観音霊場

埼玉県の秩父ちちぶエリアにある34か所のお寺を結ぶ「観音めぐり」の霊場。

西国三十三所坂東三十三観音に比べると歴史が浅いですが、森や湖などの秩父の大自然を感じながらお参りできるのが魅力です。

三十四ヶ所をめぐり終えた後は、西国・坂東と同じように、善光寺ぜんこうじ(長野)に「お礼参り」に行くのが習わしとされています。

秩父三十四所観音霊場

仏像せんせい
仏像せんせい
三十三観音霊場の人気は今も変わらず、国内外から多くの巡礼者が訪れています。

3.有名な像とお寺

  • 水月観音菩薩坐像/東慶寺とうけいじ(神奈川)
  • 楊柳観音菩薩立像/大安寺だいあんじ(奈良)

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