釈迦如来(しゃかにょらい)を簡単に
- 釈迦如来とは、仏教を開いた実在の人物。
- 「お釈迦さま」として親しまれている。
- 衣を1枚まとっただけの、簡素な姿をしている。
1.釈迦如来(お釈迦さま)とは
釈迦如来(しゃかにょらい)とは、仏教を開いた実在の人物。
略して釈迦とよんだり、親しみを込めてお釈迦さまとよんだりします。
釈迦は、紀元前5~6世紀ごろに釈迦族(インド北部の小さな国)の王子として生まれ、本名をゴーダマ・シッダールタといいます。
豪華な宮殿で不自由なく暮らしていましが、町の人が病気や老いで苦しむ姿を見て、「人はどうすれば苦しみから逃れられるのか……」と深く悩みます。
この答えを探すために、妻と子がいた釈迦は、地位も財産も捨てて29歳で出家します。
そして、長く厳しい修行の末に「さとり」(大いなる気づきの心)を得て、如来となります。
(35歳のころ)
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これが仏教の始まりであり、如来となった釈迦(=釈迦如来)は、インドの各地で人びとに教えを説いて回りました。
45年間ずっとこの生活を続け、多くの人びとを幸せへと導いたのです。
釈迦の教えについては、ブッダの教えをやさしく解説にて説明しています。
熱心に活動していた釈迦も、やがて体力が衰え、80歳でこの世を去ります。
それから約千年後の6世紀ごろ、日本に仏教が伝わり、釈迦如来が仏像としてまつられるようになりました。
2.姿かたち
釈迦如来はすべてを捨てて出家したため、衣(納衣)を1枚まとっただけの簡素な姿で表されます。
頭のてっぺんはコブのようにふくらみ(肉髻)、髪がくるくると丸まって(螺髪)、無表情な顔つき(半眼)をしています。
(おでこには白毫がついている)
手には何も持たず、右手で施無畏印、左手で与願印を結んで、人びとに教えを説いています。
(禅定印・説法印・降魔印などを結ぶものもある)
立っている像(正立像)、台に腰かけている像(善跏倚坐)、両足を組んで座っている像(結跏趺坐)があります。
また、釈迦如来像には、教えを説いている姿のほかにも
などがあります。
3.釈迦如来のなかま
釈迦如来は、以下の仏像を脇侍や眷属として従えることがあります。
4.ご利益
- 所願成就
- さとりを開かせる
5.有名な像とお寺
- 釈迦如来倚像/深大寺(東京)
- 釈迦如来立像[清凉寺式釈迦如来]/清凉寺[嵯峨釈迦堂](京都)
- 釈迦如来坐像[飛鳥大仏]/飛鳥寺(奈良)
- 釈迦三尊像/法隆寺(奈良)
- 釈迦如来坐像/室生寺(奈良)
腰かけて説法をするレアな像
湧き水に囲まれた境内と“深大寺そば”で知られる「深大寺」の釈迦如来倚像は、いすに腰かけて説法をする日本では珍しいスタイル。
飛鳥時代後期(白鳳時代)を代表する仏像としても有名。
清凉寺(せいりょうじ)式釈迦
“嵯峨の立ち釈迦”として知られる清凉寺の秘仏・釈迦如来立像は、釈迦が生きている間にその姿を写した像として有名。
「清凉寺式釈迦如来」とよばれ、縄を編んだような髪型が特徴。