如来(にょらい)を簡単に
- 如来とは、真理に目覚めて「さとり」を開いた超人的な存在のこと。
- 人びとを幸せへと導くのが役割。
- 衣を1枚まとっただけの、簡素な姿をしている。
1.如来とは
如来(にょらい)とは、真理に目覚めて「さとり」を開いた超人的な存在のこと。
さとりをカンタンに説明すると……
自分だとか世界だとかがどういうものであるかが、すっきりとわかって、もう悩まない……、そんな状態かなぁ。
山本勉『仏像のひみつ』朝日出版社、2006年
如来は、お釈迦さまという実在の人物がモデルになっています。
お釈迦さまは紀元前5世紀ごろのインドの王子でしたが、人生に深く悩み、地位も財産も捨てて出家します。
そして、長く厳しい修行の末にさとりを開き、釈迦如来(しゃかにょらい)となりました。
この釈迦如来が最初の如来であり、人びとを幸せへと導く役割を担います。
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釈迦如来(しゃかにょらい)を簡単に 釈迦如来とは、仏教を開いた実在の人物。 「お釈迦さま」として親しまれている。 衣を1枚まとっただけの、簡素な姿をしている。
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2.如来のすがた
如来は、すべてを捨てて出家したお釈迦さまをモデルとしているため、衣(納衣)を1枚まとっただけの簡素な姿で表されます。
最大の特徴は、小さな渦がたくさん並んだ髪型(螺髪)。
長い修行の間に伸びた髪がくるくると丸まることによって、このようなヘアスタイルに。
頭のてっぺんにはコブのようなふくらみ(肉髻)があり、この中にはたくさんの「智慧」が詰まっているとされています。
無表情に見える顔(半眼)は、瞑想をしている様子を表しています。
このほかにも、如来の姿には何十もの特徴があります。
全部を書くと長くなるため、代表的なものだけを挙げます ↓
3.如来の種類
最初は釈迦如来しか存在しませんでしたが、のちにさまざまな如来が生まれました。
ほかには、人びとを極楽浄土に導く阿弥陀如来(あみだにょらい)、あらゆる病を癒やす薬師如来(やくし——)、宇宙を治める絶対王者である大日如来(だいにち——)などがいます。