十大弟子(じゅうだいでし)を簡単に
- 十大弟子とは、お釈迦さまの弟子の中でとくに優秀な10人。
- 釈迦から頼りにされ、いつも説法を聞いていた。
- 「智慧第一」「神通第一」といふうに、それぞれが得意分野をもつ。
1.十大弟子とは
十大弟子(じゅうだいでし)とは、釈迦の弟子の中でとくに優秀な10人。
(釈迦の弟子トップテン)
仏教を開いたお釈迦さまには、たくさんの弟子がいました。
あわせて読みたい釈迦如来(お釈迦さま)とは | 仏像入門ドットコム
釈迦如来(しゃかにょらい)を簡単に 釈迦如来とは、仏教を開いた実在の人物。 「お釈迦さま」として親しまれている。 衣を1枚まとっただけの、簡素な姿をしている。
続きを見る
その弟子たちの中でも、とくに優秀で釈迦から頼りにされていたのが、十大弟子です。
彼らはいつも釈迦のそばにいて説法(教え)を聞き、釈迦の身のまわりの世話をしていました。
また、彼ら自身も、それぞれ1500人もの弟子をもっていたといわれています。
十大弟子の一人ひとりには「○○第一」というニックネームがあり、それぞれが○○という分野においてナンバーワンの能力をもちます。
2.メンバー
(1)舎利弗
智慧第一
ナンバーワンの頭脳をもつ弟子。
十大弟子の中でもトップといわれ、釈迦の右腕として働きます。
釈迦に代わって教えを説くこともあり、仏教を広めるのに大きく貢献しました。
(2)目犍連
神通第一
すぐれた超能力をもつ弟子。
その不思議な力によって、あの世で飢えに苦しむ母を救ったり、暗殺者から逃れたりします。
舎利弗と並ぶ「二大弟子」であり、多くの人びとに仏教を広めました。
(3)大迦葉
頭陀第一
誰よりも質素に暮らしながら修行に励んだ弟子。
(頭陀とは、あらゆる欲望を払いのけること)
釈迦の死後、教団のリーダーとして釈迦の教えを取りまとめました。
(4)須菩提
解空第一
執着することの愚かさに気づき、「空」をいちばん理解した弟子。
空とは「この世のすべては幻であること」を説いた哲学であり、『般若心経』という有名なお経にも書かれています。
(5)富楼那
説法第一
いちばん話し上手な弟子。
心を動かすトークによって、(弟子たちの中ではもっとも多い)9万9000人もの民衆に教えを説きました。
(6)迦旃延
論議第一
誰よりもわかりやすく教えを説いた弟子。
富楼那と同じく話し上手ですが、(民衆だけでなく)王さまをもうなずかせるほど説得力にすぐれていました。
(7)阿那律
天眼第一
すべてを見通すことのできる特殊な目をもつ弟子。
釈迦が教えを説いている最中に居眠りをしたことから、二度と眠らない誓いを立てます。
昼も夜も眠らなかったため失明してしまいますが、肉眼では見えないものを見通す力を手に入れました。
(8)優波離
持律第一
戒律(修行者の生活ルール)をいちばんよく守った弟子。
もともとは理髪師であり、釈迦の髪をそったのがきっかけで出家します。
ほかの弟子たちのお手本となり、釈迦の死後は自らが中心となって教団の戒律をまとめ上げました。
(9)羅睺羅
密行第一
釈迦のひとり息子であり、誰よりもまじめに修行に励んだ弟子。
偉大な父とのギャップに悩みながらも、忍耐強く修行に取り組み、「さとり」(大いなる気づきの心)を得ました。
(10)阿難陀
多聞第一
つねに釈迦のそばにいて、いちばん多くの話を聞いた弟子。
釈迦の秘書として働き、120歳まで生きたといわれています。
3.有名な像とお寺
- 十大弟子立像/愛宕念仏寺(京都)
- 十大弟子立像/清凉寺[嵯峨釈迦堂](京都)
- 十大弟子立像/大報恩寺(京都)
- 十大弟子立像/興福寺(奈良)