不空成就如来とは | 仏像入門ドットコム

★画像（不空成就如来：準備中）

不空成就如来（ふくうじょうじゅにょらい）を簡単に

1．不空成就如来とは

不空成就如来（ふくうじょうじゅにょらい）とは、「金剛界こんごうかい」という仏ほとけの世界の北側に住む如来。

金剛界の中央には、宇宙の絶対王者である大日如来がどっしりと座っています。
そして、そのまわりを4体の如来が取り囲み、大日如来のはたらきをサポートします。

この大日如来を含めた5体セットを

金剛界の五智如来ごちにょらい

といい、そのうちの1体（大日如来の「北」に位置する仏）が不空成就如来なのです。

不空成就如来は、大日如来のもつ5つの智慧ちえのうちの「成所作智じょうしょさち」（すべてのものを完成させる智慧）を受けもちます。
また、不空成就という名前には「必ず成しとげる」という意味があります。

このことから、不空成就如来は目標を達成するための力を人びとに授けるとされています。

不空成就如来は自利利他じりりたの心をつかさどる仏でもあり、「自分が幸せになると同時に、他人も幸せにする」という仏教のスピリットを人びとに伝える役割も担います。

単独でまつられることはほとんど無く、通常は五智如来のうちの1体としてまつられます。

仏像せんせい

五重塔ごじゅうのとうの内部に安置されたり、立体曼荼羅の一部となったりすることもあります。

★画像（不空成就如来坐像：準備中）

ほかの如来と同様、納衣を一枚まとっただけの簡素な姿で表されます。

頭のてっぺんはコブのようにふくらみ（肉髻）、髪がくるくると丸まって（螺髪）、無表情な顔つき（半眼）をしています。
（おでこには白毫がついている）

左手で衣の端をつかみ、右手で施無畏印を結びます。

背後では二重円光や宝珠光が輝き、蓮華座に乗ります。

両足を組んで座っている像（結跏趺坐）が一般的ですが、立っている像（正立像）も一部あります。

（先ほど書いたように）不空成就如来は、金剛界の五智如来（こんごうかいのごちにょらい）のメンバーの一員です。

金剛界の五智如来には、不空成就如来のほかに以下のメンバーがいます。

不空成就如来は、お釈迦しゃかさまこと

と同じものとみなされることがあります。

また、五大明王のメンバーである

は、不空成就如来の化身けしん（生まれ変わり）とされています。