弥勒如来(みろくにょらい)を簡単に
- 弥勒如来とは、はるか遠い未来にこの世におりてくる仏さま。
- お釈迦さまに代わって人びとを教え導く。
- 姿かたちも、お釈迦さまにそっくり。
1.弥勒如来(弥勒仏)とは
弥勒如来(みろくにょらい)とは、はるか遠い未来にこの世におりてくる仏さま。
弥勒仏(みろくぶつ)ともよばれます。
お釈迦さま(=釈迦如来)が亡くなってから56億7千万年後というはるか遠い未来に、お釈迦さまの後継者として、弥勒如来がこの世におりてくるとされています。
それまでの間は、はるか上空にある兜率天とよばれる場所で、弥勒菩薩として如来になるための修行を積んでいます。
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弥勒菩薩(みろくぼさつ)を簡単に 弥勒菩薩とは、人びとを救う方法をいつも考えている菩薩。 56億7千万年後、如来にょらいとなって人間界におりてくる。 右手を頬ほおに添え、美しいほほ笑みを浮かべている。
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56億7千万年後にこの世におりてきた弥勒菩薩は、龍華樹という木の下で「さとり」を開き、如来となって人びとを救います。
「さとり」とは
「迷いを捨て 世界のすべてを知る」という、大いなる気づきの心。
(もっと簡単にいうと、世の中や人生のことがすっきりとわかって悩まなくなった状態のこと)
弥勒如来は未来に現れることが決まっているヒーローであり、お釈迦さまに代わって人びとを教え導く役割を担います。
平安時代(794~1185年)の終わりごろになると、お釈迦さまの教えが忘れ去られる「末法の時代」に入ったとされ、弥勒如来の像が増えていきました。
2.姿かたち
ほかの如来と同様、納衣を一枚まとっただけの簡素な姿で表されます。
頭のてっぺんはコブのようにふくらみ(肉髻)、髪がくるくると丸まって(螺髪)、無表情な顔つき(半眼)をしています。
(おでこには白毫がついている)
右手で施無畏印、左手で与願印を結ぶのが基本ですが、左手で降魔印を結ぶ像もあります。
背後では二重円光や飛天光が輝き、蓮華座または裳懸座に乗ります。
両足を組んで座っている像(結跏趺坐)が一般的ですが、立っている像(正立像)も一部あります。
3.弥勒如来のなかま
(先ほど書いたように)弥勒如来がさとりを開く前の存在として、
があります。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 弥勒如来坐像/興福寺(奈良)
- 弥勒仏坐像/當麻寺(奈良)
- 弥勒如来坐像/唐招提寺(奈良)
- 弥勒如来坐像[試みの大仏]/東大寺(奈良)
※東大寺ミュージアムに安置
試み(こころみ)の大仏
東大寺の弥勒如来坐像は、有名な「奈良の大仏」をつくる際の試作品であったとの言い伝えから、「試みの大仏」とよばれている。
ところが、試みの大仏がつくられたのは平安時代前期(奈良の大仏の造立より後)と推定されており、つじつまが合わない。