聖観音(しょうかんのん)を簡単に
- 聖観音とは、数ある「観音さま」の基本形。
- 観音さまの中では、もっとも人間に近い姿をしている。
- 六観音のメンバーの一員。
1.聖観音(聖観世音菩薩)とは
聖観音(しょうかんのん)とは、数ある「観音さま」の基本形。
正式な名前を聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)といい、正観音とも書きます。
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観音菩薩(かんのんぼさつ)を簡単に 観音菩薩とは、人びとの心を察知して助ける菩薩。 「観音さま」として昔から親しまれている。 救う相手や状況に応じて、いくつもの姿に変身する。
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観音菩薩は救う相手や状況に応じていくつもの姿に変身するといわれており、そのほとんどは多くの顔や腕をもつ超人的な姿かたちをしています。
超人的な姿かたちの観音菩薩には、
などがあります。
そんな観音菩薩の中でも、もっとも人間に近い姿をしたものが、聖観音です。
2.姿かたち
多くの顔と腕をもつ十一面観音や千手観音などに対し、聖観音は1つの顔と2本の腕をもつ人間の姿で表されます。
宝冠・瓔珞・臂釧などのアクセサリーを身につけ、蓮華や水瓶などを手に持ちます。
右手は、与願印を結んだり、(上のイラストのように)蓮華の花に軽く添えたりします。
両手で合掌する像もあります。
立っている像(正立像)が一般的ですが、座っている像(坐像)も一部あります。
3.聖観音のなかま
(1)六観音
聖観音は、六観音(ろくかんのん)とよばれる、6体セットの観音菩薩のメンバーの一員です。
六観音には、聖観音のほかに以下のメンバーがいます。
※天台宗(密教・坐禅などを融合した仏教の宗派)系のお寺では、准胝観音の代わりに不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)がまつられます。
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六観音(ろくかんのん)を簡単に 六観音とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。 多くの顔や腕をもつ、超人的な姿かたちをしている。 「六道ろくどう」という苦しみの世界を管理する。
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(2)そのほかの仲間
聖観音は、阿弥陀三尊のメンバーとして
と一緒にまつられることがあります。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 聖観音菩薩立像/鞍馬寺(京都)
- 聖観音菩薩坐像[楊貴妃観音]/泉涌寺(京都)
- 聖観音菩薩立像/不退寺(奈良県奈良市)
- 聖観音菩薩立像/薬師寺(奈良)
- 聖観音菩薩坐像/観世音寺(福岡)
楊貴妃(ようきひ)観音
皇室ゆかりの寺として知られる「泉涌寺」の聖観音菩薩坐像は、世界三大美女の一人である楊貴妃の姿をかたどった観音さまとして有名。
美人祈願や縁結びの仏さまでも知られ、芸能人もお忍びで訪れるそう。