准胝観音(じゅんていかんのん)を簡単に
- 准胝観音とは、無数の仏を生み出す観音さま。
- 「仏の母」として昔から慕われている。
- 六観音のメンバーの一員。
1.准胝観音とは
准胝観音(じゅんていかんのん)とは、無数の仏を生み出す観音さま。
天台宗(密教・坐禅などを融合した仏教の宗派)では、准胝仏母(じゅんていぶつも)または七倶胝仏母(しちぐていぶつも)とよばれます。
この「准胝」「七倶胝」という名前には、次のような意味があります。
- 准胝
・・・けがれなく清らかな - 七倶胝
・・・七千万の(限りない数の)
その名が示すように、准胝観音は無数の仏を生み出すとされ、美しい母のような姿をしています。
仏(ほとけ)とは
この世の真理に目覚めて「さとり」(大いなる気づきの心)を得た存在。
仏教を開いた釈迦如来が代表的な例。
准胝観音は、もともとは魔物を倒すインドの女神(ドゥルガー)でしたが、仏教に取り入れられると同時に「仏の母」へと生まれ変わります。
大いなる母性をもつことから、子宝・安産のご利益をもたらす観音さまとして、昔から人びとに慕われてきました。
2.姿かたち
1つの顔と18本の腕をもつ、一面十八臂(いちめんじゅうはっぴ)の姿が一般的です。
ほかの菩薩と同様、インドの貴族のような華やかな服装をしています。
ふくよかな体つきをし、おでこには第三の目がついています。
(18本の手のうち)真ん中の手は施無畏印や説法印を結び、そのほかの手は蓮華・水瓶・宝塔・数珠・宝剣・鉞斧などを持ちます。
3.准胝観音のなかま
准胝観音は、六観音(ろくかんのん)とよばれる、6体セットの観音菩薩のメンバーの一員です。
六観音には、以下のメンバーがいます。
※天台宗(密教・坐禅などを融合した仏教の宗派)系のお寺では、准胝観音の代わりに不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)がまつられます。
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六観音(ろくかんのん)を簡単に 六観音とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。 多くの顔や腕をもつ、超人的な姿かたちをしている。 「六道ろくどう」という苦しみの世界を管理する。
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4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 准胝観音菩薩坐像/宝戒寺(神奈川)
- 准胝観音菩薩坐像/醍醐寺(京都)
- 准胝観音菩薩坐像/大報恩寺(京都)
- 准胝観音菩薩坐像/金剛峯寺・准胝堂(和歌山)