六観音(ろくかんのん)を簡単に
- 六観音とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。
- 多くの顔や腕をもつ、超人的な姿かたちをしている。
- 「六道」という苦しみの世界を管理する。
1.六観音とは
六観音(ろくかんのん)とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。
あわせて読みたい観音菩薩(観音さま)とは | 仏像入門ドットコム
観音菩薩(かんのんぼさつ)を簡単に 観音菩薩とは、人びとの心を察知して助ける菩薩。 「観音さま」として昔から親しまれている。 救う相手や状況に応じて、いくつもの姿に変身する。
続きを見る
観音菩薩は救う相手や状況に応じていくつもの姿に変身するといわれており、そのほとんどは多くの顔や腕をもつ超人的な姿かたちをしています。
その中でもメインの6つの姿を、六観音といいます。
六観音には以下の種類があり、それぞれが役割をもちます。
(各リンク先で、詳細を解説)
【六観音の種類】
- 聖観音(しょうかんのん)
・・・観音菩薩のもとの姿 - 十一面観音(じゅういちめん――)
・・・「11の顔」で人びとを救う観音 - 千手観音(せんじゅ――)
・・・「千の手」で人びとを救う観音 - 如意輪観音(にょいりん――)
・・・人びとの願いをかなえる観音 - 馬頭観音(ばとう――)
・・・人びとの迷いの心を食べつくす観音 - 准胝観音(じゅんてい――)※
・・・無数の仏を生み出す観音
※天台宗(密教・坐禅などを融合した仏教の宗派)系のお寺では、准胝観音の代わりに不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)がまつられます。
通常は「准胝観音」を含めた6体を、天台宗では「不空羂索観音」を含めた6体を、六観音としています。
また、准胝観音と不空羂索観音の両方を含めて七観音(しちかんのん)とよぶことがあります。
なお、六観音や七観音とは別に、33体セットの三十三観音もあります ↓
あわせて読みたい三十三観音とは | 仏像入門ドットコム
三十三観音(さんじゅうさんかんのん)を簡単に 三十三観音とは、観音さまが変身する33の姿のこと。 救う相手や状況に応じて、姿を使い分ける。 「三十三観音霊場れいじょうめぐり」が、今でも盛んに行われてい ...
続きを見る
2.六道の世界
仏教には、「人はこの世での行いによって、6つの世界に生まれ変わる」という考え方があります。
この6つの世界を六道(ろくどう)といい、六観音がそれぞれの世界を受けもちます。
この6つの世界は、いずれも苦しみの世界です(天道でさえも)。
人間を含む生き物がこの苦しみの世界を巡り続けることを、輪廻転生(りんねてんしょう)または六道輪廻(ろくどうりんね)といいます。
仏教では、人びとが「さとり」を得て輪廻転生から脱出することを、究極の目標としています。
「さとり」とは
「迷いを捨て 世界のすべてを知る」という、大いなる気づきの心。
(もっと簡単にいうと、世の中や人生のことがすっきりとわかって悩まなくなった状態のこと)
3.有名な像とお寺
- 六観音像/大報恩寺(京都)
- 六観音像[新宮寺六観音]/新宮禪寺(熊本)
6体セットは超レア
「大報恩寺」「新宮禪寺」のように6体すべてが残っている例は、ほかに無い。