如意輪観音(にょいりんかんのん)を簡単に
- 如意輪観音とは、「宝珠」と「法輪」で願いをかなえる観音さま。
- 6本の腕をもち、片ひざを立てて座る。
- 六観音のメンバーの一員。
1.如意輪観音とは
如意輪観音(にょいりんかんのん)とは、「宝珠」と「法輪」で願いをかなえる観音さま。
如意輪という独特な名前は、如意宝珠(にょいほうじゅ)と法輪(ほうりん)という2つの言葉が合わさったもの。
これらは如意輪観音の持ち物であり、次のようなはたらきをします。
- 如意宝珠(宝珠)
・・・あらゆる願いをかなえる。 - 法輪
・・・煩悩(欲望や迷いの心)を消し去る。
この2つの持ち物によって、人びとのどのような煩悩も消し去り、あらゆる願いをかなえます。
また、如意輪観音は、ほかの観音さまに比べて女性的な像が多いのも特徴。
たとえば、「観心寺」の像は檀林皇妃がモデルに、「神呪寺」の像は如意尼という女性のお坊さんがモデルになっています。
2.姿かたち
1つの顔と6本の腕をもつ、一面六臂(いちめんろっぴ)の姿が一般的です。
ほかの菩薩と同様、インドの貴族のような華やかな服装をしています。
右手を頬に添え(思惟手)、人びとを救う方法を考えています。
そのほかの手は、トレードマークである宝珠と法輪に加えて、蓮華や数珠などを持ちます。
片ひざを立てた足のポーズは、輪王坐という珍しい座り方。
輪王坐は平安時代(794~1185年)以降に主流となり、それより前の時代の像は、2本の腕で半跏倚坐のポーズをしていることがあります。
3.如意輪観音のなかま
如意輪観音は、六観音(ろくかんのん)とよばれる、6体セットの観音菩薩のメンバーの一員です。
六観音には、如意輪観音のほかに以下のメンバーがいます。
※天台宗(密教・坐禅などを融合した仏教の宗派)系のお寺では、准胝観音の代わりに不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)がまつられます。
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六観音(ろくかんのん)を簡単に 六観音とは、観音さまが変身する6つの姿のこと。 多くの顔や腕をもつ、超人的な姿かたちをしている。 「六道ろくどう」という苦しみの世界を管理する。
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4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 如意輪観音菩薩坐像/醍醐寺(京都)
- 如意輪観音菩薩坐像/観心寺(大阪)
- 如意輪観音菩薩坐像/神呪寺(兵庫)
- 如意輪観音菩薩坐像[岡寺大仏]/岡寺(奈良)
- 如意輪観音菩薩坐像/室生寺(奈良)
日本三如意輪
「観心寺」「神呪寺」「室生寺」の3体の像は、日本三如意輪として知られている。