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役行者(役小角)とは | 仏像入門ドットコム

役行者(えんのぎょうじゃ)を簡単に

  • 役行者とは、さまざまな呪術で人びとを救った超能力者。
  • 山々を駆け巡って「修験道しゅげんどう」という教えを開いた。
  • 仙人のように空を飛び、多くの伝説を残す。

1.役行者(役小角)とは

役行者(えんのぎょうじゃ)とは、さまざまな呪術で人びとを救った超能力者。
行者さんとして親しまれ、本名が「小角」であることから役小角(えんのおづぬ)ともよばれます。

飛鳥あすか時代(592~710年)に実在した人物であり、修験道(しゅげんどう)の開祖とされています。

修験道とは

日本古来の山岳信仰さんがくしんこう(山には神々が宿ると信じること)に仏教や道教どうきょうなどが融合して生まれた教え。
山での厳しい修行によって心身を磨き上げ、あらゆる人びとを救うことをめざす。
修行者は、「修験者しゅげんしゃ」や「山伏やまぶし」とよばれる。

(1)生い立ち~呪術の習得

634年(飛鳥時代の中ごろ)、奈良県御所ごせ市にて、古くからの豪族ごうぞく(土地や財産をもつ権力者)である賀茂かも氏の一族として生まれます。

幼いころから山に魅了された役行者は、毎日一人で山に入り、険しい山中をオオカミのように走り回っていました。

仏像せんせい
仏像せんせい

夜中に飛び起きては、金剛山こんごうさん(大阪と奈良を縦断する標高1125メートルの山)をめがけて駆け登ることもあったそうです。

役行者はやがてえらいお坊さんから孔雀くじゃくの呪法」(身を守るための呪術)を授かり、また、滝に打たれる修行をとおして不思議な霊能力をもつようになります。

22歳のときには、仙人だけがもつという「飛行の呪術」も身につけ、雲に乗って空を飛べるようになったのです。

名高い超能力者となった役行者は、その不思議な力を使って

  • 雨ごい
  • 病気の治療
  • 橋を架ける工事
  • 悪魔払い
  • 鬼の退治

などを行い、困っている人びとを助けました。

 

(2)蔵王権現の出現

41歳になった役行者は、金峯山きんぷせん(奈良県の吉野よしのにそびえ立つ険しい山々)の頂上をめざして修行の旅に出ます。

つねに人びとの幸せを願い、来る日も来る日も修行に明け暮れました。
すると、ある日突然、体が燃えるように熱くなり、新たな呪力が湧いてくるのを感じました。

それから、山頂の大きな岩に座って

病や災いに苦しむ人びとを救い、勇気と力を与えてくださる力強いほとけよ、どうか姿を現わしたまえ。

と一心に祈ったところ、雷がすさまじく鳴り響き、化け物のように恐ろしい姿をした蔵王権現ざおうごんげんが現れたのです。

蔵王権現立像
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役行者は大いに感激し、蔵王権現の姿を桜の木に彫って金峯山寺きんぷせんじのお堂にまつったそうです。

仏像せんせい
仏像せんせい

その後、役行者の信者たちがこの地に桜の木を植え続け、吉野山は「桜の名所」として知られるようになりました。

 

(3)島流し~昇天

役行者はその後も日本各地の山々を駆け巡りますが、あるとき「呪術で人びとを惑わしている」と疑いをかけられ、天皇の命令で伊豆大島に流されます。

仏像せんせい
仏像せんせい

昼間はおとなしく島に滞在していましたが、夜になると富士山まで飛んで修行にはげんでいたそうです。

やがて罪が晴れると、故郷に戻って再び修行の日々を送りました。

そして、68歳のときに天上ヶ岳てんじょうがだけ(大阪府箕面みのお市にある山)に登り、「私の魂はこの地で永遠に生き続けるだろう」と言い残すと、雲に乗って天へと昇っていったといいます。

のちの時代、天皇は役行者に神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)という立派な呼び名を贈り、役行者は今もなお「修験道の開祖」としてあがめられています。

大自然の中で心身を磨き上げ、つねに人びとの幸せを願った呪術師・役行者は

天から授かった唯一無二の才能を発揮し、生きとし生けるものに奉仕する。

という「菩薩の道」を、私たち一人ひとりに示しています。

2.役行者の伝説

奇想天外な人生を歩み、神秘的なエピソードにいろどられた呪術師・役行者。

役行者にまつわる伝説は数多くありますが、その中でも有名な4つのストーリーを紹介します。

3.姿かたち

役行者の死後、その偉大な功績をたたえて、多くの役行者像がつくられました。

役行者像の特徴

仙人のような風格が漂う、ひげを生やした老人の姿で表されます。

せて骨の浮き出た体で岩座に腰かけ、長頭巾ながずきん(肩まで垂れた長い頭巾)と袈裟けさをまとい、すねをあらわにして高下駄たかげたをはいています。

右手につえ、左手に数珠経巻金剛杵などを持ちます。

両サイドには、2匹の鬼(前鬼ぜんき後鬼こうき)が並ぶことがあります。

仏像せんせい
仏像せんせい

役行者のお供をする前鬼・後鬼は、おのを片手に役行者の進む道を切り開きます。

4.ご利益

  1. 健康運
    ・・・とくに健脚
  2. 厄除け

5.有名な像とお寺

  • 役行者像および二鬼にき像/石馬寺いしばじ(滋賀)
  • 役行者倚像および二鬼像/金峯山寺きんぷせんじ(奈良)
  • 役行者倚像/櫻本坊さくらもとぼう(奈良)
  • 役行者倚像および二鬼像/松尾寺まつおでら(奈良)
  • 役行者倚像および二鬼像/福禅寺ふくぜんじ(広島)

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