風神・雷神(ふうじん・らいじん)を簡単に
- 風神・雷神とは、「恵みの風と雨」をもたらす神さま。
- 仏教の守り神としてペアでまつられる。
- 鬼の姿をし、雲に乗って空を飛びまわる。
1.風神・雷神とは
風神・雷神(ふうじん・らいじん)とは、「恵みの風と雨」をもたらす神さま。
もともとは古代インドの神さまであり、風と雷をつかさどる神として信仰されていました。
日本では仏教の守り神である天部とされ、恵みの風と雨をもたらすといわれています。
(1)風神とは
日本の風神は、かつてはすさまじい風を吹かせて災害をもたらす「悪い神」として、人びとから恐れられていました。
のちに恵みの風と雨をもたらす神さまへと生まれ変わり、仏教の守り神として悪を追いはらう役割も担うようになります。
日本各地に残る風祭り(かざまつり)という伝統行事では、地域の人たちが町なかや神社に集まり、風神の怒りをしずめて豊作を祈ります。
(2)雷神とは
日本の雷神も、かつては雷を落として災いをもたらす「悪い霊」として、人びとから恐れられていました。
雷さまともよばれ、「地上におりてきて人間のヘソを取る」と言い伝えられてきました。
また、雷獣とよばれる妖怪(キツネに似ている)が雷と一緒に落ちてくるという伝説もあります。
雷神はのちに恵みの雨をもたらす神さまへと生まれ変わり、風神とともにまつられるようになりました。
(3)風神雷神図
風神・雷神は、仏像よりも絵画のほうがよく知られています。
風神・雷神が描かれた絵画を風神雷神図(ふうじんらいじんず)といい、中でも建仁寺の国宝『風神雷神図屏風』が有名です。
この屏風には天空に突然現れた2神の姿がダイナミックに描かれており、東京2020オリンピック・パラリンピックの記念500円硬貨のデザインにもなっています。
2.姿かたち
風神と雷神のペアでまつられます。
それぞれの立ち位置(左右どちらに並ぶか)は、お寺によって異なります。
(1)風神像
とがった耳・つり上がった目・2本の牙をもつ、鬼の姿で表されます。
(自ら吹かせた風のせいなのか)髪は大きく乱れ、天衣と裙を身にまといます。
風を吹き出す「風袋」をかつぎ、これによって風と雨をもたらします。
岩座と雲座が合体したような乗り物に乗り、空を飛びまわります。
(2)雷神像
風神と同じく鬼の姿で表され、服装や乗り物もほぼ同じです。
自ら起こした雷のせいなのか、髪は大きく逆立っています(炎髪)。
小さな太鼓の連なった「連鼓」を背負い、両手に持つバチでたたいて雷を起こします。
3.風神・雷神のなかま
の追加メンバーとなることがあります。
この風神・雷神を含めた30体を、風雷二十八部衆(ふうらいにじゅうはちぶしゅう)といいます。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 風神・雷神像/輪王寺(栃木)
- 風神・雷神像/浅草寺(東京)
- 風神・雷神像/三十三間堂(京都)