日光・月光菩薩(にっこう・がっこうぼさつ)を簡単に
- 日光・月光菩薩とは、「太陽と月の光」で苦しみを癒やす菩薩。
- 薬師如来とともに24時間365日ずっと働く。
- 顔もポーズも、まるで双子のようにそっくり。
1.日光菩薩・月光菩薩とは
日光菩薩・月光菩薩(にっこうぼさつ・がっこうぼさつ)とは、「太陽と月の光」で苦しみを癒やす菩薩。
正式な名前を日光遍照菩薩・月光遍照菩薩(にっこうへんじょうぼさつ・がっこうへんじょうぼさつ)といい、それぞれが太陽と月の光を象徴しています。
単独でまつられることはなく、必ずペアを組みます。
日光・月光菩薩は、もともとは薬師如来(仏像界のお医者さま)の2人の子どもであったとされています。
そのため、薬師如来の脇侍をつとめます。
薬師如来を「医師」に例えると、日光・月光菩薩は医師をサポートする看護師のような存在。
昼は日光菩薩、夜は月光菩薩が交代で看護にあたり、薬師如来とともに24時間365日体制で人びとのあらゆる苦しみを癒やします。
日光菩薩の“強い光”は病魔を焼きつくし、月光菩薩の“優しい光”は煩悩(欲望や迷いの心)を浄化するといわれています。
飛鳥時代(592~710年)からつくられ始めた日光・月光菩薩は、いつも空に浮かぶ太陽と月のように、今も変わらず人びとを照らし続けています。
2.姿かたち
薬師如来を中心にして、向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩がまつられます。
(この配置形式を薬師三尊という)
2体は左右対称につくられることが多いため、体つきも顔の表情も双子のようにそっくりです。
持ち物は異なり、日光菩薩が「日輪」、月光菩薩が「月輪」を両手で支えます。
日輪・月輪とは、それぞれ「太陽を表す丸い円(赤色)」「月を表す丸い円(白色)」をハスの茎にのせたもの。
(色がついていないものや、文字が刻まれているものもある)
腰をゆるやかにひねって立つ、女性的な像が多いのも特徴。
座っている像(坐像)も一部あります。
3.日光菩薩・月光菩薩のなかま
(先ほど書いたように)日光・月光菩薩は、薬師三尊のメンバーとして
と一緒にまつられます。
また、薬師如来の眷属である
と一緒にまつられることもあります。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
- 薬師三尊のうち日光・月光菩薩立像/勝常寺(福島)
- 薬師三尊のうち日光・月光菩薩立像/大善寺(山梨)
- 薬師三尊のうち日光・月光菩薩立像/東寺(京都)
- 薬師三尊のうち日光・月光菩薩立像/薬師寺(奈良)
- 日光・月光菩薩立像/道成寺(和歌山)