十羅刹女(じゅうらせつにょ)を簡単に
- 十羅刹女とは、普賢菩薩につかえる10体の女神。
- 悪い鬼であったが、お釈迦さまの教えによって心を改める。
- 『法華経』とその教えを信じる人たちを守る。
1.十羅刹女とは
十羅刹女(じゅうらせつにょ)とは、普賢菩薩につかえる10体の女神。
(普賢菩薩の眷属)
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普賢菩薩(ふげんぼさつ)を簡単に 普賢菩薩とは、「智慧ちえ」と「優しさ」で人びとを導く菩薩。 文殊もんじゅ菩薩とペアを組み、釈迦如来しゃかにょらいを脇からサポート。 6本の牙きばをもつ白いゾウに乗る。
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十羅刹女は、もともとは「羅刹国」という島に住むインドの鬼であり、人間のエネルギーを奪ったり疫病をはやらせたりするなどの悪事を働いていたといわれています。
のちにお釈迦さまと出会ってからは、すっかり心を入れ替え、これまでとは正反対の仏教の守り神へと生まれ変わります。
十羅刹女はとくに『法華経』の守護神とされ、普賢菩薩とともに法華経とその教えを信じる人たちを守ります。
法華経(ほけきょう)とは
ドラマチックな物語や「たとえ話」をとおしてお釈迦さまの教えをまとめたお経。
28の章からなり、すべての人が平等に幸せになれると説いている。
このお経によると、十羅刹女は「私たちは命をかけてこの法華経をいちずに信じ、修業者を守り、幸せへと導き、あらゆる苦しみから解放しましょう」とお釈迦さまに誓っているとされています。
一方、修行者の心を試すためにあえて試練を与えたり、法華経を軽んじる人に罰をくだしたりするそうです。
2.姿かたち
貴人服や天衣などを身にまとった中国風の女性の姿、または十二単を着た日本風の女性の姿で表されます。
10体のメンバーは、香炉・蓮華・水瓶・羂索・宝剣・金剛杵・瓔珞などを手に持ったり、合掌したりします。
立っている像(正立像)が一般的であり、普賢菩薩の前に整列したり、普賢菩薩を取り囲んだりします。
3.十羅刹女のなかま
(先ほど書いたように)十羅刹女は、
の眷属として一緒にまつられることがあります。
また、子どもの守り神である
を母にもちます。
4.ご利益
仏教守護
5.有名な像とお寺
普賢菩薩騎象像および十羅刹女像/慈恩寺(山形)