伎芸天(ぎげいてん)を簡単に
- 伎芸天とは、あらゆる芸を上達させる「芸の女神」。
- 見る者をとりこにするような、美しい天女の姿をしている。
- 日本での作例が1体のみというレアな仏像。
1.伎芸天とは
伎芸天(ぎげいてん)とは、あらゆる芸を上達させる「芸の女神」。
シバ神(インドの破壊の神さま)が空の上で天女たちと一緒に楽器の演奏を楽しんでいるときに、シバ神の髪の生えぎわから突然生まれた女神が、伎芸天であるといわれています。
伎芸天は見る者をとりこにするような美しさを放ち、楽器をかなでる能力がすぐれているとされています。
そのため、(音楽・芸能などの)あらゆる芸を上達させる「芸の女神」として信仰され、芸能人やクリエイターからも人気を集めています。
中国での仏像の作例は多くありますが、日本では秋篠寺の1体のみ。
2.姿かたち
伎芸天を説いたお経に書かれている姿と秋篠寺の像では、姿かたちが少し異なります。
(1)お経の姿
貴人服を身にまとった美しい天女の姿で表され、左手に「花を盛った皿」を持ち、右手で衣をつかんで、まっすぐに立っています。
(2)秋篠寺の像
(お経の姿と同様)貴人服を身にまとった美しい天女の姿をしていますが、手には何も持ちません。
左手を垂らし、右手を胸のあたりまで上げ、両手ともに人さし指と小指を伸ばして残りの指をにぎります。
軽く口を開け、首をかしげながら、まっすぐに立っています。
仏像せんせい
秋篠寺の伎芸天像は、天上のメロディーを口ずさんでいるかのような優雅な姿をしていることから、「東洋のミューズ」とよばれています。
(ミューズとは、ギリシア神話の音楽の女神のこと)
(ミューズとは、ギリシア神話の音楽の女神のこと)
3.伎芸天のなかま
伎芸天には、以下の家族がいます。
4.ご利益
5.有名な像とお寺
伎芸天立像/秋篠寺(奈良)