寿老人(じゅろうじん)を簡単に
- 寿老人とは、人びとに「長寿」を授ける福の神。
- 白いひげをのばした仙人の姿をしている。
- 七福神のメンバーの一員。
1.寿老人(寿老神)とは
寿老人(じゅろうじん)とは、人びとに「長寿」を授ける福の神。
七福神のメンバーであり、寿老神とも書きます。
寿老人は、もともとは道教という教えの中で生まれた神さまであり、不老不死の仙人がモデルであるといわれています。
道教(どうきょう)とは
古代中国で生まれた、多くの神々をあがめる宗教。
不老長寿を願う神仙思想、呪術、風水、易学などのさまざまな哲学や技術からなる。
(道教においては)真南の空に浮かぶ南極星のことを「南極老人」「老人星」「寿星」などとよび、この星を見た者は寿命がのびると言い伝えられています。
南極星(カノープス)について
冬の星座「りゅうこつ座」の星の一つ。
夜空で2番目に明るい星であり、赤色(中国では縁起の良い色)に輝く。
この南極星が神さまとなって現れたものが寿老人であり、人びとに長寿を授けるとされています。
寿老人はのちに日本に伝わり、江戸時代(1603~1868年)以降、七福神のメンバーに名を連ねるようになります。
同じ七福神である福禄寿と姿も性格もそっくりであるため、福禄寿と同じとみなされたり、取り違えられたりすることがあります。
2.姿かたち
頭巾をかぶって白いひげをのばした、仙人の姿で表されます。
不老不死の薬の入ったヒョウタン、長寿のシンボルである桃、つえ、うちわなどを手に持ちます。
(つえにヒョウタンがくくりつけられていることもある)
シカ(平和と長寿のシンボル)を引き連れている像もあります。
寿老人 | 福禄寿 | |
---|---|---|
①かぶりもの | 頭巾 | - |
②持ち物 | つえ | |
ヒョウタン、桃、うちわ | 経巻 | |
③引き連れる動物 | シカ | ツル、カメ |
※2神の姿かたちについての絶対的なルールは無いため、例外も多くあります。
3.寿老人のなかま
(先ほど書いたように)寿老人は、福の神として知られる七福神(しちふくじん)のメンバーの一員です。
七福神には、寿老人のほかに以下のメンバーがいます。
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4.ご利益
健康運
・・・とくに延命(長寿)
5.有名な像とお寺(神社)
- 寿老人坐像/長安寺(東京都台東区)
- 寿老人立像/妙隆寺(神奈川)
- 寿老人立像/革堂行願寺(京都)
- 寿老人立像/三光神社(大阪)
- 寿老人立像/宝生寺(兵庫)