福禄寿(ふくろくじゅ)を簡単に
- 福禄寿とは、「3つの幸せ」をもたらす福の神。
- 白いひげをのばした仙人の姿をしている。
- 七福神のメンバーの一員。
1.福禄寿とは
福禄寿(ふくろくじゅ)とは、「3つの幸せ」をもたらす福の神。
七福神のメンバーです。
福禄寿は、もともとは道教という教えの中で生まれた神さまであり、古代中国の仙人がモデルであるといわれています。
道教(どうきょう)とは
古代中国で生まれた、多くの神々をあがめる宗教。
不老長寿を願う神仙思想、呪術、風水、易学などのさまざまな哲学や技術からなる。
(道教においては)「福」「禄」「寿」という3文字には、次のような意味があるとされています。
- 福
・・・幸福(子宝に恵まれる) - 禄
・・・封禄(お金に恵まれる) - 寿
・・・長寿(長生きできる)
この3つの幸せが神さまとなって現れたものが福禄寿であり、子孫繁栄・金運・長寿などのご利益をもたらします。
福禄寿という仙人は、必要以上に欲張らなければ幸せになれると教えてくれています。
福禄寿はのちに日本に伝わり、室町時代(1336~1573年)以降、七福神のメンバーに名を連ねるようになります。
同じ七福神である寿老人と姿も性格もそっくりであるため、寿老人と同じとみなされたり、取り違えられたりすることがあります。
2.姿かたち
背が低くて頭は長く、白いひげをのばした仙人の姿で表されます。
左手に経巻、右手につえを持ちます。
(つえに経巻がくくりつけられていることもある)
長寿のシンボルであるツルやカメを引き連れている像もあります。
福禄寿 | 寿老人 | |
---|---|---|
①かぶりもの | - | 頭巾 |
②持ち物 | つえ | |
経巻 | ヒョウタン、桃、うちわ | |
③引き連れる動物 | ツル、カメ | シカ |
※2神の姿かたちについての絶対的なルールは無いため、例外も多くあります。
3.福禄寿のなかま
(先ほど書いたように)福禄寿は、福の神として知られる七福神(しちふくじん)のメンバーの一員です。
七福神には、福禄寿のほかに以下のメンバーがいます。
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4.ご利益
5.有名な像とお寺(神社)
- 福禄寿立像/東覚寺(東京都北区)
- 面掛福禄寿/御霊神社(神奈川県鎌倉市坂之下)
- 福禄寿立像/赤山禅院(京都)
- 福禄寿立像/長久寺(大阪府大阪市)
- 福禄寿立像/長林寺(兵庫)
福禄寿のお面をまつる神社
鎌倉七福神の一つである「御霊神社」には、「面掛福禄寿」とよばれる福禄寿のお面が仏像と同じようにまつられている。
この神社で毎年9月18日に行われる、男たちが奇妙なお面をかぶって町を練り歩く伝統行事(面掛行列)では、面掛福禄寿の実物も登場する。