羅漢(らかん)を簡単に
- 羅漢とは、「さとり」のレベルに達した釈迦の弟子たち。
- 仏教を広めるのに大きく貢献した。
- 「十大弟子」「十六羅漢」「五百羅漢」の3つのグループがある。
1.羅漢(阿羅漢)とは
羅漢(らかん)とは、「さとり」のレベルに達した釈迦の弟子たち。
正式には、阿羅漢(あらかん)といいます。
仏教を開いたお釈迦さまには、たくさんの弟子がいました。
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その弟子たちの中でも、仏教の修行をマスターして「さとり」という最高のレベルに達した者を、羅漢といいます。
「さとり」とは
「迷いを捨て 世界のすべてを知る」という、大いなる気づきの心。
(もっと簡単にいうと、世の中や人生のことがすっきりとわかって悩まなくなった状態のこと)
釈迦の教えを受けつぐ羅漢たちは、人びとを幸せへと導くために、(釈迦の死後も)インドの各地で多くの民衆に仏教を広めて回りました。
2.代表的な羅漢
羅漢には、
- 十大弟子(じゅうだいでし)
- 十六羅漢(じゅうろくらかん)
- 五百羅漢(ごひゃくらかん)
という代表的な3つのグループがあります。
(1)十大弟子
釈迦の弟子の中でとくに優秀な10人。
いつも釈迦のそばにいて身のまわりの世話をし、それぞれが「○○第一」というナンバーワンの能力をもちます。
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(2)十六羅漢
釈迦から仏教を守り伝えるよう頼まれた16人の弟子。
インドの各地で多くの人びとに教えを説き、仏教を広めるのに大きく貢献しました。
十六羅漢の中でもっとも有名なのが、賓度羅跋囉惰闍(賓頭盧尊者)。
「おびんずるさん」として親しまれ、日本各地のお寺のお堂の前にまつられています。
※十六羅漢のメンバーはお経によって異なり、『阿弥陀経』の十六羅漢には十大弟子のうち7人が含まれます。
(3)五百羅漢
「第一結集」(釈迦の死後に行われた、第1回目の教団の集会)に参加した500人の弟子。
第一結集では、大迦葉をリーダとして釈迦の教えがまとめられ、仏教をさらに大きく広めることが誓われました。
3.有名な像とお寺
- 五百羅漢像/喜多院(埼玉)
- 五百羅漢像/五百羅漢寺(東京)
- 千二百羅漢像/愛宕念仏寺(京都)
- 五百羅漢像/雲辺寺(徳島)
- 五百羅漢像/羅漢寺(大分)
参拝者によって彫られた像
“癒やしの寺”として親しまれている「愛宕念仏寺」の境内には、コロポックルのように可愛らしい姿をした1200体もの羅漢の石仏がびっしりと並ぶ。
お寺を羅漢像でいっぱいにしたいと願った、歴代の住職・西村公朝。
その願いに賛同した参拝者たちの手によって、一体一体が彫り上げられた。