涅槃仏(ねはんぶつ)を簡単に
- 涅槃仏とは、お釈迦さまが亡くなるときの姿を表した仏像。
- 右手で頭を支え、横たわっている。
- 主に東南アジアの仏教寺院で見られる。
1.涅槃仏(涅槃像)とは
涅槃仏(ねはんぶつ)とは、お釈迦さまが亡くなるときの姿を表した仏像。
涅槃像(ねはんぞう)、寝釈迦(ねしゃか)ともよばれます。
仏教を開いたお釈迦さまは、その教えを広めるためにインドの各地を歩いて回りました。
45年間ずっとこの生活を続け、多くの人びとを幸せへと導いたのです。
熱心に活動していた釈迦も、やがて体力が衰え、80歳でこの世を去ります。
上の「涅槃図」とよばれるイラスト(絵画)は、釈迦が亡くなったときの様子を描いたもの。
多くの弟子や動物たちが釈迦を取り囲み、別れを悲しんだといいます。
このときの姿を仏像で表したものが、涅槃仏です。
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2.姿かたち
右手で頭を支え、足をそろえて横たわっています。
目を開いているものと閉じているものがあり、目を開いている像は最後の説法をしている姿を、目を閉じている像は亡くなった姿を表しています。
巨大なサイズでつくられることが多く、中には全長50メートルを超すものもあります。
日本での作例は少なく、主に東南アジアの仏教寺院で見られます。
3.有名な像とお寺
- 涅槃仏/ワット・ポー(タイ)
- シュエターリャウン涅槃仏/シュエターリャウン・パゴダ(ミャンマー)
- 涅槃像土/法隆寺(奈良)
- 立体涅槃像群/法然寺(香川)
- 釈迦涅槃像/南蔵院(福岡)
涅槃図の3Dジオラマ
“さぬきの寝釈迦”として知られる法然寺の「立体涅槃像群」は、涅槃図を巨大な3Dジオラマで再現した全国でも珍しい様式。
半丈六サイズの涅槃仏と50種類以上の像からなる涅槃空間は、圧巻のスケール。