十王(じゅうおう)を簡単に
- 十王とは、あの世で死者を裁く「10体の裁判官」。
- それぞれのメンバーが、10回にわたって死者を取り調べる。
- 中国風の裁判官のような格好をしている。
1.十王とは
十王(じゅうおう)とは、あの世で死者を裁く「10体の裁判官」。
中国に古くからある「道教」と日本の「仏教」が結びつき、十王への信仰が生まれました。
道教(どうきょう)とは
古代中国で生まれた、多くの神々をあがめる宗教。
不老長寿を願う神仙思想、呪術、風水、易学などのさまざまな哲学や技術からなる。
人は亡くなるとあの世で十王と出会い、この世での行いを裁かれるとされています。
十王たちは10回にわたって死者を取り調べ、六道という6つの世界(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のどこに生まれ変わるのかを決定します。
十王の中で人気も知名度もナンバーワンなのが、閻魔王(えんまおう)。
閻魔大王や閻魔さまとして知られ、こちらを鋭くにらむような迫力のある姿が印象的です。
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閻魔王(えんまおう)を簡単に 閻魔王とは、死者の罪を裁く「あの世の裁判官」。 天国から地獄まで、死者の行き先を決定する。 真っ赤な顔をし、こちらを鋭くにらむ。
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2.メンバー
【メンバーと担当する裁判日】
- 秦広王(しんこうおう)
・・・初七日(死後 7日目) - 初江王(しょこうおう)
・・・二・七日(死後 14日目) - 宋帝王(そうていおう)
・・・三・七日(死後 21日目) - 五官王(ごかんおう)
・・・四・七日(死後 28日目) - 閻魔王(えんまおう)
・・・五・七日(死後 35日目) - 変成王(へんじょうおう)
・・・六・七日(死後 42日目) - 泰山王(たいざんおう)
・・・七・七日(死後 49日目) - 平等王(びょうどうおう)
・・・百か日(死後 100日目) - 都市王(としおう)
・・・一周忌(死後 1年目) - 五道転輪王(ごどうてんりんおう)
・・・三回忌(死後 2年目)
まず、初七日の秦広王から四・七日の五官王までの4体が、死者の罪を取り調べます。
その結果をもとに、五・七日の閻魔王が、六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のどの世界に生まれ変わるのかを決定します。
生まれ変わる世界が決まると、六・七日の変成王がその世界の中のさらに詳しい場所を、七・七日の泰山王が性別と寿命を決定します。
この時点で判決は下されていますが、再審のチャンスが与えられます。
遺族が百か日・一周忌・三回忌と死者の冥福を祈ることによって、平等王・都市王・五道転輪王が罪を軽くし、死者を天道へと導いてくれます。
3.有名な像とお寺
- 十王坐像/円応寺[閻魔堂](神奈川)
- 十王坐像/十王寺(滋賀県守山市)
- 十王坐像/七条えんま堂(京都)
商店街にたたずむ十王像
京都の七条通りに面した由緒ある商店街・西七繁栄会には、十王のまつられた「七條えんま堂」が静かにたたずむ。
地域の人たちによって守られてきた十王像は、商店街のシンボルとして町おこしに貢献している。