仏像は本来、拝むためにつくられた神聖なもの。
一方、彫刻作品として素晴らしいものや、歴史的価値が高いものも多いため、「美しい仏像をじっくりと見てみたい」と思うのも自然なことです。
仏像を拝観する際には、どんなことに気をつければよいのでしょうか?
1.仏像を拝観するときの心構え
仏像のほとんどはお寺にまつられており、お坊さんや地域の人たちによって長い間ずっと守られてきました。
仏像に近づくときは、それを守り伝えてきた方々に敬意を払いながら、心静かに拝観しましょう。
(美術館・博物館で鑑賞するときも同様)
また、仏像には「国宝」や「重要文化財」に指定されているものも多くあります。
これらは文化財保護法によって歴史的・芸術的にすぐれているものが選ばれて保護されるようになったものであり、汚したり壊したりすると処罰されます。
2.覚えておくべき拝観マナー
お寺は本来、お坊さんが修行したり、仏さまを拝んだり、心静かに自分と向き合ったりするための清らかな場所。
その神聖な雰囲気を壊さないよう、以下のマナーを必ず守って、気持ちよく仏像を拝観しましょう。
(美術館・博物館でも同様)
【マナー 1】合掌する
仏像の前にきたら、合掌しながらおじぎしましょう。
「さい銭箱」や「香炉」が設けられている場合は、さい銭と線香(または焼香)をあげ、再び合掌したままおじぎします。
【マナー 2】像にさわらない
仏像にさわったり、もたれかかったりしないこと。
仏像に向かって「さい銭」を投げるのも、傷がつくためNG。
【マナー 3】騒がない
大声で話したり、騒いだりしないこと。
お寺は神聖な場所であることを忘れずに。
【マナー 4】飲食・喫煙しない
飲食・喫煙はしないこと。
建物や仏像が汚れたり、火事の原因になったります。
美術館・博物館では、飲食スペースや喫煙所が設けられていることがあります。
【マナー 5】写真撮影は禁止
写真撮影・動画撮影・スケッチなどは、控えましょう。
お寺や美術館は、撮影するための場所ではありません。
お寺によっては、一部の場所のみ撮影OKとしていることもあります。
(例.東大寺の大仏殿内部での撮影)
【マナー 6】服装・持ち物について
服装
派手すぎる服装や、過度な肌の露出は避けましょう。
お寺や美術館の雰囲気を壊してしまいます。
持ち物
筆記用具
「仏像に出会った感動を、その場でメモしたい」と思うこともあるかもしれません。
その際は、「鉛筆」または「シャーペン」を使いましょう。
ボールペン・マジック・万年筆などは、インクが飛び散るおそれがあるためNG。
メモが禁止されている場合は、もちろん使わないこと。
鑑賞アイテム
仏像はお堂の奥にまつられていることが多いため、「双眼鏡」「単眼鏡」「オペラグラス」などがあると便利。
ただ、お寺は鑑賞のための場所ではないので、使用する際はお寺の方に断ったほうがよいでしょう。
美術館・博物館では、これらの使用が認められていることが多いです。
お寺と神社の参拝方法もあわせて読めば、さらに安心して仏像を拝観できるでしょう。
解説は、以上です。